子どもたちへのお話
Root for Children・森田代表は2017年から8年間、小学校・幼稚園の校長・園長を務めていました。その間、入学式や卒業式、朝礼などで子どもたちに話をする機会が多くありました。ここでは時系列にこだわらず、子どもたちに聞いてもらったお話を中心に紹介します。ご家庭での団欒の話題にしていただけるものもあるかと思います。どうぞご覧ください。
東方の博士たちは一つの星が昇るのを見て、長い旅に出る決意をした。行き先も定かではなく、困難が待ち受けているであろう事は容易に想像できた。愚かなこと。多くの人はそう思った。しかし、博士たちの心は期待と喜びに躍っていた。黄金・乳香・没薬を携え、世界の王に会うために旅立った。
名作「賢者の贈り物」にも、大切な宝物を互いのために台無しにした「愚かな若い夫婦」が描かれているが、物語は「彼らこそ最高の賢者なのだ」という言葉で締めくくられている。人の目には愚かに映るかもしれない。しかし、博士たちも若い夫婦も、もっと大切なもののために喜んでそうしたのである。
子どもたちのため、夜空に光る赤星を見失わぬように、そして楽しみながらこの一年の旅を始めたい。
日本私立小学校連合会 会報第359号 2022年「年頭所感」より
おはようございます。
今朝もZoomでの朝礼になります。
それで、皆さんに3人の人物の肖像を見ていただきたいと思います。
まず、この人は誰だか分かるでしょうか。
高学年の人なら知っているかもしれません。
ナポレオンです。
ナポレオン・ボナパルト。
フランスの初代皇帝ですね。
幕末の日本でもよく知られていて、
西郷隆盛や坂本龍馬なども、
ナポレオンを尊敬していたと言われています。
次の人は?
リンゴの木がヒントになっています。
そう。ニュートンです。
アイザック・ニュートン。
万有引力の発見などで有名ですね。
科学の時代の扉を開いた、天才科学者です。
そして、三人目。
この人は肖像画ではなく、写真ですね。
そうです。トーマス・エジソン。
アメリカの発明王。
この3人に共通することは何でしょうか。
もちろん、その影響力が世界を変えたということでしょう。
でも、もう一つ共通点があります。
それは、3人とも、いじめられっ子だったということです。
ナポレオンはコルシカ島という小さな島の出身。
フランスの学校に入学しますが、言葉の訛りを笑われたり、背の低いことをからかわれたりして、辛い毎日を送りました。
ニュートンも中学校までは、成績も悪く、いじめられていたそうです。
そして、エジソンは落ち着きがない少年で、小学校をたった3ヶ月で退学してしまいます。
先生までがエジソンを馬鹿だと罵るほどだったそうです。
この3人の子供時代を見て、誰がその将来の活躍を想像できたでしょうか。
でも、みなさん。
実は、この3人だけでなく、世界に影響を及ぼすような活躍をした人たちの中には、いじめられっ子だった人たちが多くおられます。
逆に、いじめっ子だった人たちが大人になって活躍したという話は聞いたことがありません。
それはそうでしょうね。
いじめというのは、人が嫌がることをして、
その人が悩んだり苦しんだりするのを楽しむということです。
皆さんは、そんな人がカッコいいと思いますか?
そんなことをする人が、みんなに好かれることはありません。
それどころか、いじめをする人は、
そんな自分を好きになることができません。
でも、いじめられている人は、
そのいじめに耐えている自分を誇りに思えたり、
いじめている人を見返そうとして努力できます。
大人になったとき、
いじめられっ子が立派になるのは当然かもしれないですね。
皆さんの中には、いじめをする人はいないと思います。
でも、よく考えてみてください。
自分はお友達が喜ぶことをしてあげているだろうか。嫌がることをしていないだろうか。
人の嫌がることだと分かっていながらしているなら、もう絶対にしてはいけません。
そんな人は必ず不幸になるからです。
ナポレオンは、「勝利は、もっとも忍耐強い人にもたらされる。」と言っています。
辛いときに耐えることができる力は、とても大切です。
でも、いじめを受けたときに、我慢する必要はありません。
皆さんは、泥棒に入られた時、黙って我慢しますか?
すぐに警察に電話すると思います。
いじめは、泥棒よりもっと悪いことです。
だから、もしも皆さんがいじめを受けたら、一人で悩まず、すぐに担任の先生に相談してください。
みんなの力で、この小学校を楽しい学校にしましょう。
(2021年2月8日 朝礼)
おはようございます。
近小生の多くは電車で学校に来てくれていますが、
先生も電車で通勤しています。
時々、白い杖を持って電車に乗って来られる方を見ることがあります。
目の不自由な方です。
他にも、毎朝駅員さんに助けられながら、車椅子で通勤される方もおられます。
体の不自由な方のお手伝いができなくても、
邪魔にならないよう気をつけたいと思います。
先日、新聞で、ジョー・ミルンというイギリス人女性のことを知りました。
彼女は生まれつき耳が聞こえませんでした。
そのために、小学生や中学生の時はひどいイジメを受けたそうです。
でも、彼女は負けませんでした。
大人になったとき、障害を持つ人たちを助ける仕事につきました。
ところが、29歳の時、「アッシャー症候群」との診断を受けます。
徐々に視野が狭くなり、視力が失われていく難病です。
みなさんは、双眼鏡を覗いたことがありますか?
遠くのものが、大きく近くに見えますね。
でも、その双眼鏡を反対側から覗くと、逆に物が小さく遠くに見えます。
ミルンさんは、そんなふうに、
だんだん長い筒を通して見るような視野になっていきました。
音が聞こえない彼女が、今度は光さえ失うことになってしまいます。
車の運転も、思い切って走ることもできなくなる。
彼女は4年間、悩んだそうです。
でも、現実を受け入れるしかない。
できないことを嘆くのではなく、新しいやり方を見つけ出すこと。
やがて彼女は白い杖と盲導犬を受け入れ、人工内耳の手術を受ける決心をしました。
39歳の時でした。
手術後、人工内耳のスイッチを入れた時、彼女は初めて音を聞きました。
あまりの喜びで、彼女は涙が溢れて止まりませんでした。
その時の様子を、彼女の友人がユーチューブにアップすると、それを見た世界中の人たちが感動しました。
彼女が自分の経験を書いた本は、日本語版も出版されています。
タイトルは「音に出会った日」。
機会があれば、皆さんも読んでみてください。
見えることや、音が聞こえることは当たり前ではないと気付かされます。
改めて感謝の気持ちを持つとともに、身体の不自由な方への思いやりも持ってほしいと思います。
彼女の本に、マーク・トウェインの言葉が書かれています。
「やさしさとは、耳の聞こえない人も聞くことができて、目の見えない人にも見ることのできる言語だ」
しっかり勉強して、本当の意味で目の見える人になりたいですね。
(2020年10月26日 朝礼)
皆さん、おはようございます。
先ほど紹介いただいたように、新しく、この附属小学校に来ました森田です。
ですから、この学校では皆さんの方が先輩になります。
初めての学校にきたので、分からないこともたくさんあります。
これからいろいろと教えてくださいね。
先生は今週月曜日から、この小学校に来ました。
朝、正門をくぐると、緑のグランドを明るい朝陽が照らしていました。
緩やかなスロープをゆっくり降りてくると、鳥のさえずり、ウグイスの唄う声が聞こえます。
足下にひものようなものが落ちていたので、よく見るとミミズでした。他にもダンゴ虫が歩いていたりするので、踏んでしまわないように気をつけないといけませんでした。
そして、校舎に入ると美しい木の廊下。きれいな教室。
先生にとっては、何もかもが新鮮で、興味深いことばかりです。
皆さんにとっては見慣れた学校ですが、少し立ち止まって美しい花を眺めたり、鳥の声に耳を澄ませてみてくださいね。
さて、今日から新しい年度が始まるにあたって、皆さんにお話します。
皆さんは、先生方からいろいろな注意を受けていると思います。
例えば、電車の中で騒がないことや、人をたたいたりしない、悪口を言わない、などです。
簡単に言えば、人の迷惑になること、人のいやがることをしないことです。これらはとても大切なことで、「銀の教え」と言われています。金銀銅の銀です。
人の嫌がることをしない、という「銀の教え」に対して、人の喜ぶことをする、というのが「金の教え」と言われるものです。
電車の中で騒がない、というだけでなく、身体の不自由な人に席を譲るということができれば素晴らしいですね。人のために何ができるか、を考える1年にして欲しいと思います。
でも、難しく考えなくてもいいと思います。
いま、門から玄関までのスロープには、かわいいチューリップが並んでいますが、それは新1年生のために、2年生の人たちが育ててくれたものと聞いています。本当に素晴らしいことです。きっと1年生も喜び、お母さん方も、皆さんのその優しい気持ちに安心されると思います。チューリップのお世話をしてくれた2年生の皆さん、どうもありがとう。
そして、自分は何もできないと思っている人がいるかもしれません。でも毎日、笑顔で楽しく学校にくることは、お父さん・お母さんを一番喜ばせていることです。今日もこうして、元気に登校してくれてありがとう。
来週には、1年生が入学してきます。
先生と同じく、初めての学校です。いろいろ助けてあげてください。
特に6年生の皆さん、よろしくお願いします。
いよいよ1学期がはじまります。先生と一緒にがんばりましょう。
(2017年4月8日 第1学期始業式)
子どもたちへのお話
